レンタルサーバーをストレージとして使うことは可能?それぞれのサービスの違いに注意

基本的にレンタルサーバーとオンラインストレージは違うサービスです。ですが、レンタルサーバーはデータ類の保存ができます。この機能を用いてレンタルサーバーをストレージとして利用することはできないのでしょうか。

今回は、レンタルサーバーをオンラインストレージとして使うことについて解説します。それぞれのサービスの内容や違い、オンラインストレージとして使う場合の注意点などを以下でみていきましょう。

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インターネットサービスには絶対に必要!レンタルサーバーとは?

サーバーとは、ホームページやサービスなどを開設するときなどに、データの置き場所となる機器やシステムのことを指します。レンタルサーバーは言葉のとおり、貸与型のサーバーを意味します。もし、自分でサーバーを準備するとなると、サーバー本体となるコンピューターの購入、物理的な設置場所の確保、安定した電源設備の用意、同時アクセスに耐えられる回線の敷設など、さまざまな準備をしなければなりません。

くわえて、サーバーで用いるOSやソフトウエアのセットアップが必要です。万が一エラーが発生したときは、自分でシステムを復旧させなければなりません。これを自分でやるとなると大変な作業です。レンタルサーバーならば、必要な設備やソフトウエアのアップデートといった作業を貸与側が行ってくれます。

そのため、レンタルサーバーを利用すれば、ホームページやサービス開設に必要な費用を大幅に削減できるだけでなく、開設までの準備期間を短縮することも可能です。

くわえて、システム管理の手間が省けるので、サーバーシステムの知識に疎い方でも安心してホームページやサービス開設ができます。サーバーはインターネットを利用したホームページ・ECサイト・ブログ・SNSといったサービスを運営するために必ず必要なものです。

どのようなサービスであっても、インターネットを経由して用いる限りはサーバーを構築しなければなりません。「クラウドならサーバーが不用では?」と思う方もいるかもしれません。しかし、クラウドサービスであっても物理サーバーが必ず用意されています。

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オンラインストレージはインターネットを介して情報の保存や読込みができる

ストレージとは、HDDやSDDといったハードディスクなどのデータ記憶装置のことを指します。例えば、パソコンやスマートフォンにおける画像や音楽ファイルといったデータを保存している領域のことです。インターネットを介してストレージに接続し、データの保存や読込みをできるようにしたサービスが、オンラインストレージです。

iCloud(アイクラウド)、Google drive(グーグルドライブ)、Dropbox(ドロップボックス)、OneDrive(ワンドライブ)が、オンラインストレージの例として挙げられます。オンラインストレージを利用すれば、インターネットにつなげられる環境がある限り、どこにいてもスマートフォンやPCあるいはタブレットといった端末から、サービス対象のストレージに接続できます。

遠隔地同士でのファイル共有や、共同開発(編集)あるいはバックアップの場として、オンラインストレージは有用なサービスです。


レンタルサーバーとオンラインストレージの違い

レンタルサーバーとオンラインストレージは、どちらのサービスもインターネットを介するという点は同じですが、使用目的が異なります。レンタルサーバーは各種システム運営を目的としているため、それを前提とした準備がされています。

対してオンラインストレージはデータの保管・共有を目的にしたサービスです。それゆえにデータの管理や保全を重視した準備がされています。それぞれサービスの利用目的が異なるため、レンタルサーバーとオンラインストレージでは使える機能が異なるので注意が必要です。

レンタルサーバーをオンラインストレージとして使うことは可能?

一般的にレンタルサーバーに用意されている機器やシステムは汎用性が高いため、さまざまな用途で用いることが可能です。

もちろん、オンラインストレージとして使うこともできます。オンラインストレージとして使うには「FTP(File Transfer Protocol)」を設定しなければなりません。これは、レンタルサーバーで用いるデータアップロード用の通信プロトコルです。

ただし、本格的にオンラインストレージのように用いるためには、履歴管理、ロック機能、ウィルスチェックといったサーバー上のシステムを設定し直す必要があります。FTPを設定しただけでは、簡易的なオンラインストレージとして使えるにすぎません。

レンタルサーバーを簡易オンラインストレージとして使う際の注意点

簡易オンラインストレージとしてレンタルサーバーを利用する場合には、「ディスク容量」「転送量」「セキュリティ」の3つのポイントに注意してください。レンタルサーバーのディスク容量は、オンラインストレージのサービスと比較すると、それほど大きくありません。

近頃はレンタルサーバーの容量も増大しているとはいえ、容量をオーバーするおそれがあります。特に画像や動画データなど、容量が大きくなりやすいものをアップロードする場合は注意しなければなりません。転送量とはサーバーとやりとりできるデータ量のことです。

レンタルサーバーの多くは、転送量に制限があり、容量を超えた場合には転送速度やアクセスに制限がかかります。転送量はダウンロードだけでなくアップロード時のデータ容量もカウントされるので、気を付けなければなりません。

レンタルサーバーをオンラインストレージとして使う時にはセキュリティにも配慮する必要があります。「レンタルサーバーなら外部アクセスから守られているのでは?」と考える人もいるでしょう。たしかに、レンタルサーバーの多くは頑強なセキュリティで守られています。

しかしながら、なるべく社外秘のデータのように、人に見られてまずいものはアップロードしないようにしましょう。

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オンラインストレージに向いているレンタルサーバーはあるの?

レンタルサーバーをオンラインストレージとして使うのであれば、次のような機能をもったサービスを選ぶと良いでしょう。

1つ目は「WebDAV」機能があることです。WebDAVはサーバー上にあるファイル管理を目的としたプロトコルです。これがあれば、サーバー上のファイル共有やファイル編集を、FTPに頼らずできるようになります。

2つ目は「非公開領域」機能があることです。非公開領域におかれたデータは、決められたユーザー以外はアクセスできません。セキュリティ向上の意味合いでも、この機能は大変重要です。3つ目は「複数ユーザーのアクセス管理設定できる」機能です。

オンラインストレージとしてサーバー上のデータを共有するにはこの機能が欠かせません。

レンタルサーバーはストレージとして使える!ただしデータ容量・転送量・セキュリティには注意しよう

レンタルサーバーとオンラインストレージは、基本的には全く異なるサービスです。しかし、データをサーバーの保存領域に置くという点では同じなので、レンタルサーバーをストレージとして利用することは可能です。ただし、あくまでも簡易的なオンラインストレージに過ぎません。

データ容量・転送量・セキュリティ、といった面で違いがあるので、レンタルサーバーをオンラインストレージとして使う場合には注意が必要です。